よろず屋さんは、郵便局とガソリンスタンドも兼ねています。そしてお店の前にあるスタンドのガソリン給油機には、かわいらしい牛の絵が・・・。この辺りは酪農が盛んな地域でもあるので、それで牛の絵が描いてあるのかも知れません。
ローレル・ホテルの駐車場に車を停め、ホテルのバーに入り部屋を予約してあることと自分の名前を告げると、Tシャツに短パン、野球帽をかぶったお兄さんが、今晩泊まる「離れ」に案内してくれました。全部で6人泊まれる離れは、ベーシックながらかなり快適。荷物を部屋に運び込んだら、まずは暑いので、離れの前の木陰でお茶を飲んで一息つきました。

離れの前で一服。気温は36℃とかなり暑いけれど、
カラッとしているので、木陰に入ると気持ちいい。
お茶の後は、ミタミタの町と、町のそばを流れるミタミタ川、そしてスノーウィー・クリーク沿いを散策することにしました。週末だというのに通りには子供の姿すら見えず、町の中は本当に静かです。カンガルーの数の方が町の人口より多いくらいかもしれません。

カンガルーも見ませんでしたが、人も見ませんでした。

ローレル・ホテルから歩いて数分のところにある、町の小さな教会と交番。
実はミタミタの町は、1960年頃からゴールドラッシュで賑わった町です。賑わったと言っても、同じくヴィクトリア州にあるバララットやベンディゴほど沢山の金はとれなかったようですが、町の中にはゴールドラッシュ時代の掘っ立て小屋や、浚渫機などがそのまま残されています。

ところで、「ミタミタ」という言葉がオーストラリアの先住民アボリジニの言葉に由来することは間違いないようですが、その意味には色々な説があるようです。ミタミタ川の水が勢いよく流れる音が雷鳴(アボリジニ語で「ムタムタ」)に似ていることから、それが訛ってミタミタになったという説もあるのですが、ミタミタの町の案内を見ると、「ミタミタ」の意味は「川が合流するところ」となっています。そのとおり、ちょうどこの地でミタミタ川とスノーウィー・クリークの二つの川が合流しています。

手前がスノーウィー・クリーク、そして奥がミタミタ川。
その二つの川の内の一つ、ミタミタ川沿いの木陰を散歩してみましたが、散歩の最中に聞こえてくるのは、涼しげな川の流れとクカトゥーなどの泣き声だけ。他に散歩をしている人の姿もなく、静かな木陰をゆっくりと歩くのは、なんとも気持ちいいものです。

スノーウィー・クリークの川岸に生えていた植物。たぶんブッシュトマト(?)
川沿いの散歩コースと近くの森の中を2時間ほど散策してミタミタ周辺の自然を満喫した後、夕食の時間までまだ数時間あったため、近くのダートマス・ダムに行ってみることにしました。普段ならばダートマス湖は水で一杯のはずですが、水量があまりにも少ないことにびっくり。いかに今年の旱魃が深刻であるかを知りました。下はダムの写真です。例年ならば水位は薄いベージュのラインの下まであるのですが、今年は水位が異常に低くなっていました。湖のそばの森には一部山火事で焼けてしまったところもあり、周辺の森も地面はカラカラに乾燥して、いつまた山火事が起きても不思議ではありません。今年の夏は本当に暑く雨が殆ど降らなかったため、ユーカリの花も種類によっては花のつき具合がいまひとつで、ハチミツの収穫量にも大きな影響が出ています。ミタミタのはちみつのサプライヤーである養蜂家のエドモンズさんからEメールをもらう度に、旱魃による養蜂・採蜜への影響を心配するコメントをもらってはいたのですが、実際にこのように現地を訪れてみて、その深刻さが良く分かりました。一日も早く雨が降って乾いた大地を潤してくれることを祈りたい気持ちでした。

水位が異常に低いダートマス・ダム。今年の水不足は深刻です。
ダムを見学した後は、心配ばかりしても仕方がないと気を取り直し、ミタミタのローレル・ホテルに戻りました。6時過ぎだというのにまだ外は暑く、のどが渇いていたので早速ホテル内のバーへ直行。カラカラに乾いたのどを潤すために、ビールを注文しました。バーで久しぶりに飲むオーストラリアのビールをゆっくり味わっていると、バーテンダーのメアリーさんという女性が話しかけてきました。実は、今回ローレル・ホテルへは日本から電話で予約を入れたのですが、メアリーさんは私がその本人かを確かめたかったのだそうです。理由を聞いたら、私から予約を受けた後に職場のスタッフに日本から予約があったことを告げたら、「こんな小さな田舎町にあるホテルに、海外からわざわざ国際電話で予約を入れる人がいるはずないから、きっと誰かのイタズラだよ。」と言われていたんだそうです。ですから、予約した本人が実際にホテルにやって来たのを見て、早速スタッフに「ホラ見て御覧なさい。イタズラ電話じゃなかったでしょ!」と嬉しそうに話している姿は、とても微笑ましかったです。

ビールで一杯やりながら楽しく談笑する常連客(写真左)。
カウンターの向こうで忙しく働いているのはメアリーさん(写真右)。
このローレル・ホテルは、1887年ミタミタがゴールドラッシュで栄えた時期に建てられたものです。当時はこのようなホテルが3つあったそうですが、現在まで残っているのはこのローレル・ホテルだけです。さて、このホテル、1970年代になってダートマス・ダムの建設が始まり、労働者が仕事の帰りにバーに寄るようになると、オリジナルの小さなバーでは手狭になってしまったために新たに増築したんだそうです。上の写真がその増築されたバー。かなりシンプルでペーシックな造りになっていますが、地元の常連客たちが冗談を飛ばしながらホテルのオーナーと一緒に楽しそうにビールを飲んでいて、地元の憩いの場になっているようでした。オリジナルの建物の部分はレストランになっており、週末ということもあって家族連れやカップルが食事に来ていたのですが、日中は全く人を見なかったので「こんなに住んでいる人がいたんだ!」と驚きました。
メアリーさんとカウンター越しに楽しく話をしている内にそろそろお腹が空いてきたので、私もレストランで夕食をとることにしました。折角オーストラリアにいるのだから久しぶりにオージービーフを食べようと思い、スコッチ・フィレットを注文。付け合せは山盛りの指ほどの太さがあるポテトチップスと、セルフ・サービスのサラダバーに10種類ほどもあるサラダです。(肝心の写真を撮り忘れました!ゴメンナサイ。) 久々に食べたステーキは、私好みの赤身のお肉でなかなかの味。またサラダの一つ、マッシュルームのブルーチーズ入りマヨネーズ和えは、あまりの美味しさに2回もお代わりしてしまったほどでした。飲み物はステーキに合わせて、ガツンとくるオーストラリアの赤ワインと行きたいところですが、あまりにも暑かったので程よく冷えたシャルドネにしました。美味しいステーキでお腹が一杯になったら、運転と暑さで疲れが出たのか急に眠気が・・・。ということで、その夜はシャワーを浴びたら、持ってきた本を開くこともなくなんと9時半に就寝です。
次回に続く。