オーストラリアのお話:お誕生日
先日、伊吹山の小さなお誕日生会のことを書きました。
誕生日というと、日本では子供のためのものというイメージでから、大人になってから家族がお誕生日を祝うということはあまりないようですね。ただ、還暦、古希、米寿など長寿のお祝いは別ですが。
一方オーストラリアでは、いくつになっても誕生日は大切な日。ですから、母親や父親、兄弟姉妹など家族の誕生日にはプレゼントとカードを贈り、一緒に食事に行ったり、家に招いて食事をしたりということをする家庭が殆どです。また、離れた所に住んでいて本人に会えない場合には、贈り物やカードを郵送したり、また最低限お誕生日の日には電話をして、「おめでとう」を言うことを忘れません。
私が、オーストラリアでお誕生日がいかに大切にされているかということを知ったのは、結婚して間もない頃のこと。義母の誕生日の数日後に皆で食事に行くことになっていましたから、その時にプレゼントを渡して「おめでとう」と言えばよいものと思っていたら、お誕生日の夜に本人から電話があり、「今日おめでとうの電話がなくて寂しかったわ」と言われてしまいました。その時に、義母から誕生日がいかに大切な日であることを教えてもらいました。日本では大人になると誕生日のお祝いをする人は殆どいないことを話すと、不思議がっていたことを覚えています。
よくよく考えてみれば、お誕生日というのはやはりいくつになっても祝う価値のある日だと思います。毎年何事もなく無事にまた一つ年を重ねることができるということは素晴らしいことですから。また私にとっては、誕生日がやってくると自分を産んで育ててくれた母親のことを思い出し、懐かしく思う日でもあります。盛大なパーティーをしたり、食事に行ったりする必要はないかもしれませんが、いくつになってもお誕生日を祝うオーストラリアの習慣が、私は好きです。